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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-019-

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 するとヘッドホン状の機器………脳波センサーの信号に基づき、船のコンピュータが彼女の浮かべたイメージをキャッチ、データベースの地図と照合して大体の場所と距離を割り出す。船がそこへ全速力で駆け付ける。となる。但し、要救護者が失神後に移動(流される)などの可能性が高いことから、自動操舵でピタリと到着できるわけではないし、最適最速の救助を行うために船の位置は色々変える。従って操舵手は欠かせない。ちなみに同じ理屈で、思い浮かべるだけで船の制御に割り込むことも可能である。この制御系をPSC:Psychology-direct-reflection Synchronization Control-unit……心理同期制御と呼ぶ。なお、船長は言わば人体自身がこの機能を備えた存在と書けようか。
 船は順調に飛行して行く。あまりに速いためオリオン座はすぐにスクリーン外へ消え、夜から朝の領域に進行する。さながら映画の早送りである。相原は「へぇー」と唸り、首をかしげながらモニターで眺めている。
 レムリアがそばに来ても、画面に夢中でそれに気付く気配は無い。レムリアは相原の肩を指先でつんつん突ついた。
「なんじゃ?」
 相原は振り向いた。レムリアの傍らにはシュレーター。
「ドクターがエンジン見たくないかって」
 レムリアが言い、シュレーターが頷いて眉を上下に動かした。なお、ドクターという呼び方は氏が博士であるため。
「見たい!!」
 相原は間髪入れず答えて立ち上がり、声に驚いた大男たちが振り返って苦笑。
 この船のプロパルジョン(推進)系は、その超絶の速度から容易に想定できるが、常識を越えて高度に過ぎる。
 それを、実用化したのが、彼の目の前、シュレーター博士。
 ただ、原理が考え出されたのは先にシュレーター自身が言ったように1930年代である。
「だ、そうです」
 とレムリアはドクター・シュレーターに訳して伝えた。
「そう来ると思ったよ。じゃあ来い」
 シュレーターは顎をしゃくると、先に立った。
 
(つづく)

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