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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-021-

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 徐々にドアが開く。システムが大げさであるから動くのが遅いのである。
「こいつはワニの口と同じで、緊急封鎖する際はバネで叩き付けるけどな」
 シュレーターが説明を追加し、内部の照明が点灯した。
「カマボコ、だな」
 見えたそれに相原が感想を述べ、腕組みした。
 形状は彼の言った通りである。巨人向けの巨大な焼きカマボコ。但しその茶色の表面には、極太の銅管が蔓植物のように幾重か巻き付く。
「それが主加速コイルだ。そばに行っていいぞ。磁束(じそく)はキャンセルされてる」
 シュレーターが言い、相原は磁石に吸われる鉄粉のように、ふらりとした動きでそのコイルに近づいた。
「さすがに冷たいですね」
「絶対零度近傍で駆動してるからな」
「それが、光子(こうし)ロケット?」
 レムリアは二人の会話に入って問うた。
「ああ、魔女っ子にはコレの原理を説明してなかったな。でもお前さんこいつにマニュアルを読んだんじゃ」
 シュレーターが少し驚いたような表情を見せる。こいつとは相原のことである。
「読んでも判りませんでした」
 レムリアは素直に言った。
 少し差を付けられているように感じる。マニュアルのふんだんに並んだ学術用語の中で、見知った言葉は相対性理論(relativity)、だけ。でもアインシュタインのその辺の内容を基礎知識一般常識のようにシレッと書かれても困るだけ。
「そうか。そいつは参ったな」
 シュレーターは言って、困ったように頭をポリポリ掻いた。
「どう説明したもんだか……相原よ、お前、できるか?」
「え?うーん、お前さん歳いくつだっけか」
 相原は身体はコイルに向けたまま、顔だけひねってレムリアに問うた。
「13、だけど……無理?難しい?」
「そんな顔するなよ、妹泣かせてる気分になる」
「え?妹さんいるの?」
「いないよ。気ままな一人っ子。少し考えさせてくれ」
 相原はマンガのように腕組みし、うーんと唸った。
 
(つづく)

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