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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-024-

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「対して〝電気が流れる〟って現象は、電線中を電子がゴロゴロ移動すること」
「なるほど」
「で、こいつが帯びてる電気はマイナス」
「うん……あ、思い出した、確か赤血球も電気的にはマイナス。なるほど」
 レムリアは両の手を合わせてパチンと言わせた。その赤血球にマイナスの電気をもたらしているものこそは、赤血球の表面を覆う電子なのであるが、ここで相原は〝荷電粒子〟の概念を赤血球の性質になぞらえることを目的としているので、そのような正確な委細はとりあえず脇に置く。
「いいぞ。それでだ。ここで登場するのが電子の反物質」
「出た」
「こいつは見た目電子そっくり、だけど持っている電気が違う。こいつが持っている電気はプラス」
「プラスの電気を持った赤血球……もしあったら病気だね」
「え?赤血球であったら病気なの?」
「うん。ESRって数値が変わる」
「ふうん……一つ勉強になった。続けるよ。で、役者はそろった。どうするか。双方ぶっつける」
「ぶつけるって、こう?」
 レムリアは両の手に拳を作り、ぶつける仕草をして見せた。
「その通り」
 相原は頷き、
「すると、不思議なことが起きる。電子と、電子の反物質、双方とも消えてしまう。これはプラスとマイナスが一緒になると中和されてゼロになるから」
「ああ、なるほど」
「でも…その代わり別のものが作られる。光の粒子2個、それがすなわち、光子」
「光子とは光の粒子…」
「文学的表現をしたわけじゃない。物理学的には、光は粒子の集合体と見なしていいんだ。さっき〝電気が流れる〟を、赤血球がゴロゴロ流れる血流と同じ、と言ったね」
「うん」
「光も同様の表現が使える。懐中電灯で何か照らすという行為は、電灯から飛び出した光の玉が、空中をゴロゴロすっ飛んで行ってる状態なんだ。だから……例えば霧に巻かれると何も見えないのは、光が散乱してしまうから。すなわち、光の玉が霧の粒子で反射したり曲がったりして前へ進めないから」
 
(つづく)

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