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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-025-

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 レムリアは軽く頷いた。それこそ赤血球の類推として、何か邪魔して進めないという状態は充分あり得る。同じようなものだろう。
「……血の流れが邪魔されるのと同じだね」
 すると相原は安堵したように笑った。
「そんな感じ。ここまでよろしい?」
「つまり電気の玉2つぶつけると、光の玉2つに化けちゃう」
 レムリアは自分の理解を要約した。
「その通り」
「なんで?」
「電気と光は元々同じものだから。ただ見え方と振る舞いが違うだけなんだ。だから、何かきっかけがあれば容易に入れ替わる。それが証拠に、電気の流れるスピードと、光の伝わるスピードは同じ……理科でやったでしょ?」
「なるほど!」
「よい?」
「良い」
「じゃあ最後だ。この船はそういうわけで電子の反物質を燃料として持ち、そいつをこのデカいコイルで取り出して勢いをつけ、外部から取り込んだ電子にぶつけ、光の粒子を作り出す。そして、出来た光の粒子を、船の尻にあるパラボラアンテナみたいな反射板、あそこにぶっつけて船を押させる。これで船は前進する」
 相原は言った。
「なるほどねえ……それで、光子で進むロケット、光子ロケットと」
 レムリアは言うと、コイルのカマボコを見上げた。このコイルは光生み出すために。
 背後にシュレーターがゆっくり歩いてくる。
「その通りだ。そして、このような原理で動くエンジンを、正式には電子陽電子対消滅型光子ロケットエンジン(でんし ようでんし ついしょうめつがた こうしろけっと えんじん)という」
 それを聞いてレムリアは思わずドクターを振り返った。
「……どうしてそう物事難しくしたがるわけ?」
「え?そう言われてもなぁ。余計な言葉は一つもないが」
 そのやりとりに相原は笑った。
「まあまあ。今の用語を分解するとこう。まず電子はいいね。で、陽電子ってのは電子の反物質のこと。光子は光の玉のこと。対消滅ってのは電子と陽電子をぶつける行為のこと」
「電気玉2つぶっつけ光玉作って動かすよロケットエンジン」
 
(つづく)

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