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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-037-

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「息を止めて我慢して。力があなたの細胞に行き渡るまで。月の光は姿を変え、東洋で言う経絡を辿って、身体全体に浸透します」
 それは電子と陽電子が光子に姿を変えるという、さっきの説明と不思議なアナロジー。
 相原が両腕を左右に広げ、大の字になり、首を後ろに反らす。まるで空気を押し込まれた人形のようである。
 そして糸の切れた操り人形のように弛緩。
「あっ……」
 倒れると思ってレムリアは手を差し伸べたが、相原は少しよろけただけで体勢を回復した。
「少しめまいがしただけだ……いいのかな?これで」
 成功した。レムリアは確信を持って小さく笑んだ。
「うまく行ったと思います。“感じよう”と思ってみて。船長がやってるのを思い出して」
「雰囲気を感じようとするのと同じ、だっけか」
「その通りです」
 その起動プロセスはテレパシーの起動ともまた類似。
 相原は目を閉じる。
「……おお、なるほど。お前さんテレパシー使えたな」
「ええ」
 それは自分の認識を覗き込めという意味だろう。
 相原が“見て”……否、視覚として認識している光景がそこにあった。
 空中を無数の波があらゆる方向からあらゆる方向へ、忙しそうに(?)行き交っている様子が感じられる。それは、音を伝える空気の振動が目に見えているような、そんな感じである。
「干渉するぞ」
 意志が波動を形成して周囲に波紋のように広がり、その行き交う波の一部を消去したり、向きを変えたり。
 相原は自らの知識に基づき、電場を制御できる状態だ、と表現した。レムリア自身は念動力の起動と同じと認識した。イメージを描像するだけで、身の回りに電子を集めたり、任意の波を身体から放出したり、飛び交う波の向きを変化させたりといったことが可能な様子。ほぼ自由自在である。
「掌握した。行けるぞ」
 
(つづく)

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