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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-038-

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 相原が言い、目を開き、
 レムリアがテレパシーのセッションを切断する前に、強い電気を帯びた領域が彼から発せられ、水中の車を球状に包む。それは言わば電気のシャボン玉である。電波は水中へ侵入できないが、水中の物体でも電圧の掛かった領域(電場)に置くことは出来る。その電場を揺さぶれば、中にある電気機器に干渉出来る。
 良く判らないが、それが相原の認識。
「英語教えてくれ。『間もなく助ける。それまで頑張って』」
「Please never give up !We perform all can do it so that you survive.」
 レムリアの言葉を、声色もそのままに相原は能力に重畳した。
 散逸していた意識の凝集を感じる。つまり、絶望の淵から光を見出した。
 声として聞こえたのである。
「never give up ! will soon」
 イヤホンにピン音。船。
「来た!」
 風と共に船は滝の上に出現した。透過シールドを解除しただけであるが、その有様は忽然と現れる、そのものであった。
 甲板には巨大な氷の塊を載せている。切り取ってきた氷河の一部であろう。
 くるりと船体を上下反転させ、その氷塊を流れの中に落とす。操舵室が自在に回転する球体であるため、この手の挙動でも乗員に問題はない。
 軽い地響きを伴って盛大な水しぶきが上がる。滝から落ちる水流は一瞬増えたが、すぐに急激に減少した。氷のダムは成功だ。
 流量の減った泥水の中にワンボックス車が見え隠れ。回転が収まってくる。
「ロープを引っ掛けて引きずり出すか」
 相原が即座に言った。
「ぷらっくと・ふろむ・うぉーたー・いみでぃえいとりぃ(Plucked from the water immediately)」
 相原は電界を震わせ、車内に伝えた。
 船の側面昇降口が開き、ウェットスーツに近似の耐環境ウェア(水中・宇宙・高温・低温・放射線)を着込んだラングレヌスが飛び降りる。その手にはフック付きのロープを持ち、その肩からは巨大な銃器がベルトでぶら下がる。子どもなら身を隠せそうな幅広の銃身。
 
(つづく)

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