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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-045-

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 果たして甲板から声を出したら、白衣のスタッフがエレベータホールの脇へ向かい、移動式のタラップを引っ張ってきた。
 状況を見てラングレヌスが動く。男の子を抱いたまま甲板からひょいと飛び降り、タラップの横付け作業を手伝う。タイヤ付きであり、大男には造作もない。
 担架が二つ運び上げられ、二人をそこに載せ、ベルトで腰部と頭部を固定。
 この間にレムリアは必要事項をスタッフに伝達。
 担架を下ろし、ストレッチャー(車輪付き寝台)へ。その間にラングレヌスはタラップを元に戻した。
 船が乗降スロープを下ろす。
「(これで両親は大丈夫だ)」
 ラングレヌスは言って、男の子の頭をガシガシ撫でた。
「(うん。……おじさん、魔法使いの天使さん、ありがとう)」
「(さぁ、ママとパパのそばへ。気が付くまで守ってあげるのは君の役目だ。天使としてこの先を君に託します)」
「(任せて!)」
 男の子は答えて両親について行き、エレベータに乗り込む。
 これで、家族は、自分たちの手を離れた。
「なるほど」
 閉まり行くエレベータに手を振りながら、相原が言った。一通り活動に参加しての感想、ということのようだ。補足するなら「なるほど、こんな要領でやるのか」
「うん、こんな感じ。あ、完了の喚呼一声は船長の役目だよ。宣言して」
 レムリアは彼に言った。
「ああ、あれか」
 相原は言って、ニヤッと笑った。
「ミッション・コンプリート」
 イヤホンにピン音が5つ返る。クルーから了解の意味。
「……びしょ濡れだね。着替えた方が良くない?」
 レムリアは相原を見、乾いた泥が付着した茶髪状態に笑った。
「日本では〝水もしたたるいい男〟だっけ?」
「それは女に使う。長~い黒髪の美女にね。泥まみれの天使さん」
「どうせ短髪のガキですよ~だ。……操舵室、相原船長をシャワー室へ連行します」
『了解。しっかり洗い出しを願います。船長殿、探査航行を再開しますがよろしいですか?』
「了解」
 レムリアは指をパチンと鳴らし、自らの姿を変えた魔法を解いた。
 
(つづく)

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