« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-072- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-074- »

アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-073-

←前へ次へ→
 
「まぁそういうことでしょう。裏にそこまで手を回せる権力が存在するってこってす。こんなオゾン観測基地の公称10名常駐で、100キロワット級の風車20機も要るかって」
 エアコンや電子レンジの消費電力がおよそ1キロワットである。
 過剰な電力は何に。
 〝観測基地〟の用途に疑義があるのは確かである。
「救助活動の範疇を外れる気がするな……オレは構わんが」
 アリスタルコスが言ってニヤニヤ笑う。無論、この基地を破壊する気である。
「外れてないだろ。このサイボーグ達が世に放たれたら誰か死ぬことになる。未然防止も立派な人命救助であろうが」
 シュレーターが言って、顎をポリポリ掻いて不敵に笑った。
「他のシャチやクジラたちを救う術はあるんでしょうか」
 レムリアは誰にともなく訊いた。
「普通に考えて攻撃実行前に発見されたら、その場で起爆させて巻き添え狙うんじゃないか?」
「私たちが近づいただけで死ぬしかないと?」
 訊き返したら、相原が己れ自身とレムリアをそれぞれ指さした。
「ハッキリ言ってよ!」
 苛立ってしまった。
「おおゴメンよ。考えながら喋ってっからよ。オレの電磁的干渉能力、君の心のケア」
「無力化か」
 シュレーターが言い、そのまま操舵席で腕組みした。すなわち、機械の目に映った瞬間、相原の能力で回路に干渉し、攻撃指令や、その薬物の放出を抑止する。
「理論的には可能だが、近づく必要があろうが」
「船なら姿隠して可能でしょ」
「見えた瞬間にドカンだぞ最悪」
「見えた瞬間にその検出信号を遮断すればいい」
「タイムラグはあるだろう。チキン・ゲームじゃないか」
 相原の能力が作用するのが先か、炸裂信号が届くのが先か。
 一瞬の躊躇が負け。
「レムリア催眠術使えるか」
 相原が急に訊いた。
「え?うん」
 
(つづく)

|

« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-072- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-074- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-073-:

« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-072- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-074- »