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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-077-

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 悲しみと哀れみの気持ちで捉える……〈おお異邦の娘よ、あなたは何者〉
 レムリアは知った。自分の感情は、この海生哺乳類たちに、動揺を呼び起こした。
 〝だが、ある程度の意志は、同時に“個性”の存在をも意味する〟
〈あなたの話を聞かせて欲しい。どこに?〉
 一頭が水面に顔を出し、船底カメラがその姿を捉える。
〈手順を説明します。そこへ行くから少し待って〉
 レムリアは言うと、相原に対して、こっちへ来てと手指で呼んだ。オイデオイデだ。
 相原がそばまで来たのでその手を握る。これで自分の認識をテレパシーで彼に送り込める。
「おお。……テレパスって気持ち悪いな」
「ごめんね。で、そのロボットの目が反応しない限り、知性ある普通のシャチやクジラ。ならば隠さずとも、意図と手順を理解させて、順次来てもらうことは可能だと思う」
「判った続けろ」
 相原は即断した。
「了解」
 とはいえ機械の目玉は理解できないであろうから、腹を食う寄生生物が生じたので治しに来たと言った。そして、我々の持つ白い膜で触れると、ビリッと一瞬痺れてそれを殺せる。
 一方相原はレムリアの認識を受け、軽く頷いてからクルーに説明。
「気付かれないように頑張らずとも、むしろちゃんと理解してもらって、協力を得て機械の目だけカモフラージュした方が遙かにスムーズと」
「レムリアの優しさの勝利ですね。わたくしはそれなら無条件で賛成です」
 セレネが言った。テレパス同士でリアルタイムに、しかも全容を把握できるということもあろう。
 行動に移る。シャチとクジラたちには知らん顔で回遊を続けてもらう。
 船は管制塔の直下に降ろす。透過シールドは保持するが、一般に周囲からの接近を拒む場合、チェックするのは、〝遠くから来るもの〟であって、畢竟、警戒が最も希薄になるのは直上直下だ。
 
(つづく)

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