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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-087-

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「……リアルすぎる映画みたいだ。こんなもん着てるから本物という認識が薄いんだろうが」
 相原がひとりごちる。失礼しますよと言いながら、横たわる遺体の間を右へ左へ。なるほどゲームプレイヤーの様な感覚なのだ。
 ウェアで遮断されているが故に。
「あれか」
 先頭アリスが銃口で指し示すのは陽炎の向こう、上空からキャッチした自転車。
 陽炎……外の気温はかなり高い。遺体の変容は早く進む。
「お前ら待て」
 近付いたところで、ラングレヌスが一行を制す。
「オレに行かせろ。ワナでした、気付いたときにはドカンじゃ洒落にならねえ」
 相原とアリスタルコスが背中合わせになり、間にレムリアを挟んで銃を構える。
 ラングレヌスはレールガンの引き金に手を掛け、自転車のある建物、サイズ的には小屋に一人近づく。
「レーダスキャン、対人反応無し。体温赤外線、鼓動センス無反応。無人或いは存命の人間は皆無と見られる。突入する。アリス援護」
「了解」
 ラングレヌスは背後にアリスタルコスを得ると、小屋の中に突入した。
 銃を上下左右に振りながら確認。
「中は無人。床面に大量の血痕あり」
 ああ……レムリアは目を閉じる。最も、誰かいるなら、自分の能力が先に反応するだろう。
 ラングレヌスに手招きされ、小屋に入る。手作りっぽい木の椅子と机、棚の薬品などから診療所と推察される。
 だが薬品は散乱し瓶は割れ、カルテとおぼしき走り書きの書類が無造作に散らばり、その血痕の中に落ちて血糊が染み込んでいる。
 血痕は黒く変色し、ほぼ固まっており、水分はない。出来事は今日中に生じた、という程度の判断で良いと見られる。
「電話が見つからんが?」
 ラングレヌスの言葉に相原が頷く。そして部屋の中心に立ち、目を閉じ、ぐるりとレーダのように首を回す。
 
(つづく)

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