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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-092-

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 兵士のひとりが携えている見慣れぬ物体。
「ミニガンじゃねえか?映画みたいに手持ちしました」
「ハンディは勘弁だ。サイボーグかよ」
 それは一見するとバズーカ砲を小脇に抱えたような印象である。だが、そこから電気ケーブルが伸びて別の兵士の背中の箱に繋がっている。多大な電気を食い、2人がかりでオペレーションするということか。なお、ミニガン(Mini-Gun)とはガトリング式電動高速機関銃を指す。6本の銃身を束ねて輪ゴムでまとめたような形態で、ドリルのように回転しながら1分に6000発という弾丸を射出する。戦闘機や戦闘車両に搭載され、文字通りの〝弾幕〟を形成するのが主用途だが、ハリウッド映画で人間やサイボーグに持たされて登場した(実際には重量と反動のため手持ちで使うのは不可能である)。
 それと似ているが違う。ただ、異様な武器であることは確かである。
 動画に戻る。兵隊達が一斉に動いたからである。その異様な武器の後ろ側に移動する。
 武器による影響を避けるように。つまり、それを発砲するつもり。
「相原見てるか」
 アリスタルコスが言った。
『ああ、電気で動くぞこれ。キャパシタか何かにチャージしてる。電話の解析は終わった。こいつの後に報告する』
 相原の言葉が終わりかけた時、異様な武器が作動した。
 兵士が、あたかも丸太振り回すようにその砲体を左から右へぐるりと回し、応じてそこここで火遊びのような煙が生じる。
 目に見えぬ、何か熱線が放射され、煙を上げさせたと考えれば合点が行く。
「今緑色の光が見えた気が……」
 レムリアは気付いて言った。
『おお良く見えたね。これはレーザ光線。銅蒸気レーザだよ』
 相原が言って寄越した。
『加工機用か何かの発振部を持ち出したんじゃないか?レーザ砲を実戦使用してる部隊なんざ聞いたことがない。異常な部隊だから試験的なことやりたい放題と見たが。この軍隊の練度はどうだい』
 
(つづく)

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