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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-095-

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 すると。
『鎌形赤血球ってそれ自体の症状と引き換えにマラリアだか黄熱病だかに耐性あるよな。血液型Bはモンゴロイドに多い。そういう特定の血球を捕まえて広がる病原菌を作ったら?遺伝子じゃねぇ、物理的な形だ。マラリアって赤血球に巣食うんだろ?』
 鎌形赤血球は名の通り〝穴無しドーナツ形〟であるべき赤血球の形が、鎌の刃形に変形する風土病だ。血球が壊れやすいため、酸素運搬能力が低下し、貧血を起こす。代わりに、赤血球の中に入り込むマラリア原虫の増殖を妨げる。
「博士と、村人と、同じ病原菌を注射して人体実験……」
『そういうこと。ワクチンは弱毒化した菌やウィルスの注射だろ?ワクチン打ったので菌が検出されたのは当然です。何かあった時の対外的な言い訳も成り立つわけだよ……さて、兵士達が我々の足跡見つけて騒ぎ出したぜ。ご遺体傷つけてサンプル取る必要はないと結論するがどうだ?証拠は研究所に幾らでもあるだろ』
「そうですね」
 レムリアはうつむいて答えた。研究所を破壊すべきという意識、躊躇の気持ち、悔恨がない混ぜになっている。
 そして何より。
 〝実験〟が終了し、データは取れた。それが被験者当人に露見した。
 結果、医師の受ける処遇は?
 

11

 
 操舵室と生命保持ユニットの間で突入作戦のテレビ会議。決定事項。
 
 ・研究所には屋上から乗り込む
 ・まず、セキュリティに故意に探知させ、応じて戻ってきた兵士たちを無力化する
 ・然るべき研究施設があるはず。探し、何らかの研究サンプルを証拠として収集する
 ・幽閉者がいる場合は救出する
 ・研究所は破壊する
 
「破壊に伴う人身への被害は?」
「破壊に際しては、人的影響の無いことを確認してから行動する」
「研究中のウィルスや病原菌は?」
「内容上、P4(バイオセイフティレベル4と同意。最高位の設備)隔離機構を持つと思われる。可能であればそのまま宇宙へ持ち出して放逐する」
 
(つづく)

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