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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-097-

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 中に入ると警報であろう、ベルがけたたましく鳴り響き、階段踊り場に見えた窓の向こうでシャッターが降り始め、照明が消えた。侵入者を完全な闇に閉じ込める装備であろう。従い、屋内の武装者は暗視装置を装備して〝応対〟しに来ると推定できる。
「動くな」
 アリスタルコスの指示で4人が身を屈めて程なく、暗くなった階段下方で銃声が轟き、跳弾が青い火花を幾度か引いて飛び交い、次いで、その音をかき消すように、重そうな足音の集団。
 出番だ。レムリアは息を吸い込んだ。耐環境ウェアに仕込まれた空気清浄装置越しであり、更に酸素が増量添加されている。
「催眠術を……」
「の前に」
 相原はレムリアを手で制し、壁面めがけてプラズマ銃を発砲した。
 何か狙ったわけではない。その代わり、ただでさえ目を射る白い火の玉の閃光は、暗視装置の増幅を経て兵士達の視神経を冒した。ガスマスク装着に伴う籠もったうなり声が幾つか上がり、闇雲な発砲音がそれに重畳する。
「ここで催眠だ。電気スパークで閃光を見た。その後も火花飛びまくりという幻影を送り込んでやって欲しい。出来るか」
「はい」
 集団催眠の方法。テレパシーで探知した意識や考えに対し、自分の意図や考えを上書きする。
 いわゆる催眠術師が実際どうやっているかは判らぬ。形而上的な機序も知らぬ。ただ、レムリアにとっての〝具体的な〟方法を書き出すとそうなる。
 程なく銃撃が途絶え、警報ベルが停止する。催眠術によって電気事故と誤認し、発砲・警戒の必要は無いと判断したのだろう。
「無力化」
「承知」
 相原の呟きにレーザガンが活躍する。光を出すだけで音は無い。彼らは自分たちの銃器が溶けたり銃身が変形していることに気付きすらしない。
 
(つづく)

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