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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-099-

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 船から返答。
『3階は……学校程度の排熱があります。居住或いは待機のためのエリアではないでしょうか。なお先ほどの警報に応じ、外へ出ていた重武装の一団が反転、現在研究所まで50メートル。本船での対処は必要ですか?』
「死なない程度に」
『了解しました』
 レムリアはその会話中、超感覚にモノを言わせる。行使したのは、残された持ち物に込められた〝思い〟からその人個人の情報を吸い上げる能力(サイコメトリ)。
 それをフロア全体に行使すると、ここで営まれていた生活が浮かび上がる。好戦的かつ好色な意志が複数存在していたことを示しており、
「ここは兵士達の宿舎エリアですね。全員出動して無人です。その外組でしょう」
「無人は気にくわんな。待機防衛が閉じ込めた連中だけということはねぇだろ」
 アリスタルコス。
「まぁ、進めば判るだろ」
 ラングレヌス。
 双子に先頭を任せ、安全を確保しながら廊下を進む。フロアの中央には広い階段があり、そこから両翼に向かい宿泊スペースが伸びている。
 その中央の階段。双子が銃を構えて前進しようとし、
「待った。階段で何かスキャンしてる」
 相原は双子を呼び止めた。
「装備は反応していないが?」
 レーダや赤外線による探知装置が働いていれば、自分たちの照準装置がそれを感知して警報を出す。
「スキャンという言い方が悪かった。固定電界だ。この階段全体が電子レンジだぜ。2450メガヘルツが充満してる」
 相原は言った。
「何だって?」
 電子レンジは英語名のマイクロウェーブ・オーブンの名の通り、電波によって調理物中の水分を振動させ、その時に生じる熱エネルギで加熱する。
 その電波が階段ホールに満ちている……足を踏み入れるのは巨大電子レンジの中に入るに同じ。
 
(つづく)

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