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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-104-

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 子供が、公園で、大きなカエルをコンクリートに叩き付けるという、残虐行為を見たことがある。
 確信を持って振り返る。
 記憶とよく似た音を立てて、何かが、自分たちの開けた穴を通じて、落ちてきた。
 いや、飛び降りてきたのであった。その着地音が巨大なカエル……に近似なのであった。
 それは、一見するとゴリラが二頭、双子の巨漢にそれぞれ襲いかかるような様子に見えた。
 ゴリラではなかった。
 人間であった。ゴリラのような体格……すなわち、猛々しいまでの筋肉に全身を覆われた無着衣の男であった。
 背後から不意を突かれたことと、その体格故の怪力もあろう、屈強なファランクス達が羽交い締めにされ、床面に押し倒される。
 ゴリラのようなモノは、もう一体いた。計3体。
 そのモノの目は、自分と相原の間を行き来していた。想定外で戸惑っているような気がしたが、彼我の距離を計測する機械の動作にも思えた。
 その視界に、相原が割って入った。
 彼は、自分の前に身を挺した。
 ファランクス二人に比して失礼でも何でも無く、相原は吹けば飛ぶような体格に感ぜられた。
 だが、彼がひ弱で頼りないとは感じなかった。
 何か、スイッチが入るような印象があり、相原の体躯が目に見えて縮まり、しかしそれはコンパクトに引き締まったように見えた。
 相原は、手にした銃を、プラズマの先端を、そのモノに差し向けた。
 彼が、自分を守るために、殺人者を選択した瞬間であった。
 男は女を守るもの。男性原理の発露であった。
 だがしかし。
「だめか!」
 引き金を引いても安全ロック……人体誤射回避機能。銃の形だが、救助活動に際し必要な破壊を行うため、取り回しの良さから銃の形態を取っているだけ。救助支援装置の限界。
 
(つづく)

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