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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-107-

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 自分が、銃を手にする。
 人体に照準できないとは言え、殺傷能力自体は充分に有する本物である。
 躊躇一瞬。
 船からピン。
『北北東より戦闘機群が接近、対応に移る。傭兵達は火器をほぼ撃ち尽くしたと見られるが、一部戦闘能力を維持している模様。そちらへ向かっている。建物まで3分』
 覚醒感が訪れる。自分の思惟は間違っている。
 不要な躊躇い。
 
 引き金を、引く。
 
 無照準防衛発砲。
 誘電加熱炉が生成した1億度の荷電火球が、レールガンと同一原理で加速され、銃口から射出される。
 発射の反動でレムリアは弾き飛ばされ、相原に衝突し、二人一緒に床面をスライドする。
 プラズマの熱は、ホルマリンからホルムアルデヒドを生じさせ、そして引火した。
 爆発する。
 紅蓮の炎が文字通り波打ち、走り、高温に舐められた他のガラスカプセルが次々熱変形を受けて割れ、更なる発火に至る。
 猛火がゾンビと双子をも飲み込む。
 ホルマリンとは異なる炎があった。
 動く人型。……燃えながらも尚動く真の怪物。
 生命の存在意義を全て否定する、地獄からの死者。
 テレパシー一閃。
〈床に穴を〉
 ゾンビの行方に落とし穴を作れ。相原の意志。彼は頭部が割れたか顔面に血を流し、鼻血を流し、眼球が小刻みに震えている。
 それでも、自分たちを守ろうと。
 この状態、自分が動かず誰に出来る。
 レムリアは超銃を両手に持った。無敵のエクスカリバーを手にしたアーサー王を思い出す。しかし、銃把を握って持ち上げようとするが、いかんせん重くて長くままならぬ。
 銃口は床面を向いたまま。
「そのまま、ぶっ放せ」
 相原が言い、壁に背中を押しつけながら両足を伸ばし、ズルズルと立ち上がった。
 もたれながら立ち、レムリアの両腕をがっちり抑える。
 反動対策。
「床面火の玉突っ走って削れるだろう。何度かやれば下まで通じる」
「はい」
 言われた通り、引き金を引く。痺れるような反動だが、相原の腕と身体によって分散される。
 火の玉が床面をえぐりながら突っ走る。
 
(つづく)

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