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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-108-

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 ここで建物の消火システムが作動する。天井スプリンクラからの放水、炭酸ガスの噴射、ドア部には遮蔽用シャッターが降りてくる。
『連射モードを使え。スコープの視線指示か、さもなきゃグリップの上にスライドスイッチがあるだろ』
 アリスタルコスのアドバイスであった。炎の中から歩き出てくる。
 相原同様、銃でぶん殴ったら銃身が曲がってしまい、ガラスの破片を剣にして目を刺した、と彼は言った。
 果たして、銃把の付け根で親指を這わせると確かにスイッチがある。
「指で弾いて右へ回せ」
 これは相原。
 言われた通りにカチッと動かし、発砲。
 火の玉が連発する。床面に穿たれた溝は次第に深まり、そこへざぁっと音を立ててホルマリンが流れ込み、気化して火が入る。
 ラングレヌスが炎の中から転がり出てきた。
 彼はレールガンの銃身がメンテナンス用にステップラ(いわゆるホチキス)よろしく開くことを利用し、そこにガラスの破片を大量に挟み込んで携えていた。古代人が棍棒に黒曜石を埋め込んでいたのと同じだ。
 追って出てきた怪物は火炎に包まれている。眼球を同様に破壊されたようである。
 ラングレヌスがとどめとばかりガラスの銃を振り上げ、殴りかかろうとし、
 床面に穴が開く。
 レムリアは感知した。落ちる。
 プラズマの作る超高温、生じた貫通孔、そしてホルマリン燃焼熱は鉄骨を溶融させ、構造体の強度を奪ったようである。
 床が抜けて下に落ちる。
 炎と、怪物と、沢山の人々と、
 自分たち。
 折しも外の兵士達が戻って来、建物に躍り込んだところであった。その頭の上へ、釜の底が抜け落ちたわけだ。
 錬磨の傭兵達もさすがにパニックになったと見られる。闇雲に銃弾が飛び交い、そこここで悲鳴が生じる。
 比して。
 
(つづく)

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