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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-109-

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 整然と並んでいた人体標本カプセルが、その整列状態を保ったまま、落下したこともあろう。
 レムリアたちの前に、人体カプセルは列柱道路のように並び、行く先を示した。コロンブスの卵よろしく、底面が割れ、そのまま直立したのであった。
 飛び交う銃弾も炎の帯もバリケードされた。
-行け-
 その示唆を発したのは……他でもない、命奪われ時を止められた、目の前のこの人達。
「行きましょう」
 デジャヴがレムリアを捉える。
 前にも同じ事があった気がする。
 いや、気がするではない。事実あった。既視そのもの。
 その時は核物質抽出の〝使い捨て〟にされた人々の招きであり、自分は手鏡を掲げ、光らせ、先頭の印とした。
 今はこの銃。レムリアは付属ベルトで肩から吊った。
 行く先は地下。目的は明確である。実験の中枢を確保する。手先に使われた医師を救い出す。
 及び。
「ぶっ壊しましょう!」
 レムリアは思ったままを素直に口にした。
 守る、救う、それを是として活動してきた自分自身信じられない言葉であった。
 だがそれは信念であり、真実である、と信じた。
「良く言った魔女っ子!」
 走り出す。火の玉銃のトリガーを右手に、左手には相原の手を引き、走る。階段ホールへ向かい、
 振り向きざま、人々の列柱道路へ向けて発砲。
 充満していたホルムアルデヒドにより、一気に炎が包む。それが追っ手を食い止める。
 階段を下りて行く。
 天井から降りてくる鉄扉がその階段下方に見える。まるでギロチンだ。
「撃つんだ」
「はい」
 火の玉を放つと穴が開き、同時に鉄扉は溶けて歪んだと見られ、動かなくなる。
 くぐり抜けられる空間が、床面近くに残る。男達が転がって抜けるつもりか、姿勢を下げる。
 レムリアは気付いた。
「ゾンビがいる!」
 鉄扉の下から幾つも手が腕が入り込み、鉄扉を幾らか持ち上げ、
 化け物が続々と階段側へ進入してきた。
 
(つづく)

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