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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-110-

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 猛烈な暴力の場になる。大男二人はそれぞれ最早棍棒と化した銃器を振り回す。
 ただ、古代の戦場のように人体を破壊するという形ではなかった。二人が狙ったのは主として目であり、比較的弱い手首や指だ。闇雲に見えて狙い澄ましている。
 相原が手を伸ばして来、プラズマ銃を手にした。
 レムリアはあっさり彼に渡したが、
 どうするつもり?大丈夫なの?
 しかし、訊く前に彼は背後階段に向かって火の玉を投じていた。
 連射モードのままであり、火の玉をしこたま喰らった階段部材が溶けて流れ落ちる。
 ホルムアルデヒドの炎が見えた。
 思った瞬間、風が生じた。階段部の溶解熱とホルムアルデヒドの火炎が上昇気流を作り、地下から1階へ向かう流れを作ったと判る。
 恐らく1階では下から火が噴き出してくるという様相になっていると想像された。
「レムリア見るな」
 大男どちらかの声があって、相原の腕が自分の目を覆った。
 超感覚では何が行われているか明確であった。怪物を双子が次々炎の中へ投げ込んでいる。ただ、既に医学的には死体である上、それでも尚動き続ける代物であることは前例の通り。
「来い!」
 目を開くと、液体にまみれた床面が有り、双子に手を引かれて鉄扉の下から地下フロアへ押し込まれた。
 自分に続いて相原が。
 この地下に二人だけ。
 双子は階段部分にとどまるつもりなのだ。
 恐らくは、それでも炎を乗り越えてたどり着くであろう、傭兵たちを待ち構えるために。
 鉄扉が熱で柔らかくなり、自重で大きな音を立てて落ち、双子との間が、僅かな空間のみを残して絶たれる。
 この先は、自分たちだけ。
「行くぞ。テレパシーでその医者を探せ」
 髪の毛が血糊でべたべたで、明らかに左腕が折れている男の声が、そばで聞こえた。
「はい!」
 とどまることは許されない。使命を帯びた任務が目の前にある。
 
(つづく)

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