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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-114-

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 穴が開き、上層で夥しくこぼれているのだろう、ホルマリンが流れ落ちてくる。
 連射モードなので更に火の玉は走り、3階兵士宿舎フロアの天井をも貫き、外界へ達した。
 開いた穴から一条をなす外の光。
『相原か!』
 シュレーター。つまり船に無線が通じた。ならば。
「地下一階へ船を寄越して下さい。要救助者多数」
 レムリアは言った。
『承ったが少し待て。交戦中だ。ファランクスは?交信できんが』
 それを聞いた相原は閉ざされた鉄扉へ向かって火の玉を放った。
 火の玉は鉄扉に穴を穿った。だが、そこまで。
 銃がピーと音を立てる。燃料電池の水素が尽きた。
 イヤホンがピッと音を立てる。
 通信経路確立。双子の無線機から相原の無線機を経由して船。
『遅いぞ。何があった。連中が突然消えたぞ』
 アリスタルコス。
「消えた?ゾンビは。あんたらは無事か」
『ゾンビならスイッチ切れてくたばった。その直後連中が退散した。博士、何か動きは掴めないか?さすがに何か無線指示が飛んでると思うが』
『判らん。現在本船は戦闘機と交戦中。待避指示じゃないか?』
 博士のマイク越しに船の出す警告音が聞こえる。
『了解。相原、傭兵共はいないから派手に穴あけていいぞ。どうした?』
「電池切れだ。船が降りるまでそこで待ってくれ」
『ひでぇ奴だな』
「慣れないことやってっからよ」
 相原はそう応じた。
「あの、じゃぁ悪いけど……」
 男達の会話にレムリアは割り込むと、ベッドの人たちの移動準備に掛かった。
 とりあえずの問題は各個室のガラスをどうやって開けるか。相原が船長能力で調べて言うには、電気錠・電動制御の類は持っていないというが。
 そもそも扉など無いのだと判るのに時間は要しなかった。最初からガラスで密封されている……〝実験〟が終わると上からホルマリンが流し込まれるのである。破壊に使える銃器はないので船を待つしかない。
 
(つづく)

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