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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-115-

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 イヤホンにピン2回。ピン2連発は緊急。
『伏せろ!』
 シュレーターから警告が飛んで来、相原が自分の上に被さって爆発音。
 上のフロアが根こそぎ吹き飛んだ。
 唐突に夕暮れ空が出現する。
 その開かれた視界を船が横切ったのは一瞬ではあった。
 が、レムリアの超常の視覚は、高速度カメラの如く、その一瞬を切り取っていた。
 甲板で三脚に似た架台に長い銃器を載せ、銃口の向きを変えようとしている白い服のひと。
 セレネであった。副長セレネが甲板で超銃FELのトリガを握っている。
〈見られてしまいましたね〉
 照れたようにその意志は飛んで来た。
 何のことはない、船はシュレーターの言った通り研究所上空にあり、先に無線で呼ばれた戦闘機5機とドッグファイトをしており、その主火力としてFELを使っていたのだ(故意に姿を見せて狙わせ、その照準情報を逆流して破壊ビームを飛ばす)。
 そしてアビエーション(電子頭脳)を狂わされた一機が研究所に墜落しそうになり、光圧で建物もろとも吹き飛ばしたのである。戦闘機は墜落爆発し、黒煙の遙か向こうをパイロットの物であろう、パラシュートがゆらゆら降りて行く。
「入り口拡張しすぎだぜ」
「とんでもねぇ店だけどな」
 双子が扉の用をなさなくなったそこを乗り越えて入ってきた。……ちなみに二人の会話は2次大戦中のドイツのミサイル〝V2〟がロンドンに着弾した際の有名なジョークに基づく。
 その、入り口の拡張。
 それは、船を直接下ろせる空間を作ると同時に、攻撃者に核心を晒すことにもなった。
 傭兵にせよ戦闘機乗りにせよ、攻撃を回避しただけで、動ける者は動けるからだ。
 幾つかの事象が同時に生じたので順を追って書く。まず、突然の外光を受け、ベッドにあった人々は一様に眩しそうな仕草を見せた。次に、奥深く差し込んだ夕刻の斜光は、研究施設が地下で海と直結していることを明らかにした。それは、あのクジラとのつながりを意識させた。
 
(つづく)

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