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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部-124-

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 相原はそう言うだけ。そして、
「動物救い、世界を救い、君を守った。オレにはそういう自負がある。対価や損失を引き合いに出す必要は無い。こんな大冒険、リアル正義の味方、宇宙へも行ける船、オレの生涯の宝だ。君が実はやっぱり天使で、今すぐ船ごと消えたとしても、オレはオレの中で信じて行く」
 その言葉はいわゆる〝綺麗事〟そのものであり、余りにステレオタイプそのもので、無理して強がっているとまず感じる。しかも、それは安請け合いというより、自分の立場を気遣ってという反応に思えてならない。だから余計に申し訳ないのだ。少なくとも出会った頃の彼のこの手の発言は実際そうだったのであろう。超感覚で探れば真意が判じるのは判っているが、そうやって調べて真意が判るのが怖い。もちろん、今は違うのかも知れないが。
 されど。
「でも、連れ出した私の責任は重大だと思うし」
「最終的に行くと言ったのはオレ自身だぞ。これは人命救助ミッションだろ。オレが断って誰かが……そんな後悔背負って一生を過ごす気はなかったさ。同じダサいなら逃げた負け犬より正義の味方でありたい」
 相原は言ってはんてんの両腕を組み、ニヤッと笑った。
 レムリアは目線を外す。一々嬉しい言葉を言う。喜びたいが本当にいいのか。
「そんな顔すんなって」
 相原は少しかがんで、目の位置をレムリアに合わせた。
「同じ内容で2度悩むな。結論は出した。カワイイ娘に深刻な顔は似合わん。大体その歳から気を遣いすぎたら後世ハゲるぞ。何を今更」
 相原は言い、手のひらでレムリアの頬にそっと触れた。
 ハッ、とする。理由は判らぬ。この男の自分に対する態度雰囲気は他の……クルーも含めた……〝大人〟たちと明確に異なる。
「これで、いい、の?」
「いいよ」
「ホントに?」
「ホントに」
「ホントのホントに?」
「ホントのホントに」
 一々即答し、都度笑って寄越す。しかし。
 そう、すっきりしない理由。彼にばかり負担を強いて。
「……やっぱり申し訳ないよ。ねえ、あたしどうしたらいい?」
 彼のメガネと瞳に映る、泣きそうな目をした自分。
 
(つづく)

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