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【魔法少女レムリアシリーズ】博士と助手(但し魔法使い)と-08-

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 対し、その向こうでレムリアが寂しげな表情。記憶にない母について尋ねる……それはむごい質問なのでは?
「そうか。レムリア、ウェディングドレスを彼女に」
「えっ?あ、はいはい」
 レムリアが指をパチンと鳴らすと、そのちゃんの着衣が純白のウェイディングドレスに変わった。
 裾は短めで頭に花冠。今の彼女に似合いで華やかで可愛い。
「あれっ!?」
 そのちゃんが自分の変化に気付いて驚き、見回す。
「美人系の方が良かないか?」
「こう?」
 レムリアが再度指を鳴らすと別のウェディングドレス。レースのヴェールで裾が長い。
「きれいな人、だったらこんな感じだろう」
「えっ?えっ!?」
 そのちゃんは再び自分をぐるぐる見回す。
 豪奢でお嬢様風。ただ、いかにも子どもが無理してウェディングドレスを着ました風。
「なるほど。でも似合ってはいませんよ博士」
「いいの」
 相原は再び携帯電話を取り出して開いた。
「こっち向いて、はいチーズ」
 内蔵カメラで今度はそのちゃんだけを撮影し、即座にケーブルを使ってコンソールへ。
 大画面が地球からそのちゃんへ切り替わる。
「あ、あたし」
「で、こうする」
 相原は立ち上がり、後方ひな壇へ登り、その中位、ごく普通のパソコンが置いてある席に座した。
 大画面のそのちゃんに、何やら薄く文字が重なる。
 それは端的には英文のチャットである。会話形式で英文が次々刻まれて行く。
 相原がコンピュータと英文で会話しているのである。
「成長解析?」
 会話文を読んでレムリアが訊いた。
「そう。ほい」
 相原がタン、と音を立ててリターン・キーを叩くと、画面のそのちゃんが変わり始めた。
 まるで成長の軌跡を日々撮影し、アニメーションの手法で再生したように、顔かたちのバランスが変わって行く。
 
(つづく)

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