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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-007-

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「三つ目の意味が判らん」
 ラングレヌスが訊いた。
「前二つは誤って殺さないため。三つ目は確実に殺すためだ」
 アルフォンススは指3本立てて答えた。より大量に殺すため、〝適切な〟高度で爆発させるというわけである。
 高すぎると下まで届かず、低すぎると遠くまで広がらない。
 レムリアは胴震いして両腕をさすった。人間に根元的に備わる残酷さを感じさせる。なお、缶詰とは、言うまでもなく核爆弾本体……ウランやプルトニウムと起爆剤を収めた容器のことだ。放射線対策で分厚い鉛に覆われており、缶そのものである。
「従って我々はこれらの性質を逆手にとって行動する。意見を募ろう。但し飛び道具はいつもの通りだ。レールガンにプラズマガン。レーザにFEL」
 注釈を加える。レールガンは電磁加速砲である。人体サイズの大型銃器でアルミのブロックを射出する。プラズマガンは誘電加熱(電子レンジ)で生成された火の玉を撃ち出す。レーザは高エネルギのレーザ光線を発射、単発と連射が選べる。FELはフリーエレクトロン(自由電子)レーザであり、光線の種類を変えられる。可視光線はもちろん、電波領域からガンマ線までの間で任意に選択可能で、用途と強度で使い分ける。同様に単射と連射、更に持続モード(ビーム出しっ放し)が可能であるが、殆どレーザマシンガンとして使用される。
 彼らは普段、これらを用いて奇蹟レベルの人命救助活動を行う。それは個々人の超能力も含めて人為的に奇蹟を起こすと書いた方が適切、否、そういうコンセプト。
 活動名をアルゴ・ムーンライト・プロジェクト。
「レーザでミサイルを穴だらけにしてしまえ」
 アリスタルコスが言った。彼は銃器の達人であり、彼の提案もあってこれら銃器を有する。ちなみに銃器は戦闘というより、救助に際して必要となる破壊や回避が主用途。
 
(つづく)

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