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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-010-

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「そうだ。さっきの画面は、コンピュータが現在のミサイル位置を予測したものに過ぎん。だから正確な位置把握にはこの船による、我々自身による探知が不可欠だ。しかしミサイルはステルス性を持たされている可能性が高い。一部のミサイルは単弾頭ではなくMARV(マーヴ)だろう。その場合、船の探知装備だけでは難しい。人間自身の感覚によって探し、判断する必要がどうしても出てくる。特にMARVだと、弾がデコイ(おとり)なのか本物なのか、船のレーダでは区別がつかん」
「……判りました」
 相原は渋々と言った感じで頷き、男達を見送った。なお、ステルス性とはレーダに探知されにくい性質のこと。そしてMARV(MAneuvering Re-entry Vehcle)は機動式再突入弾頭、すなわち、親爆弾が多数の子爆弾をばらまくという代物のことだ。焼夷弾という存在をご存じの方も多いと思うが、その全てを小型の原爆ミサイルに置き換えたものと捉えていただければ良い。
『念を押すが、くれぐれも操舵室から出るなよ』
 アルフォンススの声がイヤホン経由で各人の耳に達する。
 操舵室の大扉が閉められた。
「ここいいか?」
 相原は言うと、スクリーン下コンソール、レムリアの隣の空いている椅子を指さした。
 レーダ員席は2名分ある。レムリアの隣はいつも空席。
「船長席は……」
「あっちにはヘッドホンが無いんだよ」
「判った」
 レムリアは頷いた。相原は座りながらコンソールの画面にタッチし、次いで傍らのトラックボール(マウスの天地を逆にし、ボールを大型にしたポインティングデバイス。ボールを指先で回して操作する)を動かし、探知画面をあれこれ変更。
 その操作を素早いとレムリアは感じた。彼は電気機械が大好きといい、それ故に船長の能力移植が容易だったわけだが、普段いじっている自分より遙かに生き生きと機器類が動いているように感じるのは気のせいか。なお、ヘッドホン云々については恐らく使用することになろうからその時に記す。
 
(つづく)

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