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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-017-

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 マストのカメラを巡航ミサイルに向ける。手を伸ばせば届く距離に核ミサイル。気持ちのいいものではない。このまま出力を上げ、一気に海上へ放逐してしまいたい。
 しかし、それをやると急加速の慣性力で“核の缶詰”が潰れ、放射能が漏れてしまう。特定の条件が揃わないと爆発しないのは確かであるが、その“缶詰”本体を潰してしまっては話にならない。アルフォンススが加速度に制限を加えたのはそのためと言えた。ちなみに、10Gはミサイル射出時の加速度と同等。
 実際には数秒、なのだろうが、普段の“ほぼ一瞬”の船の挙動に慣れた身には、秒という単位すらももどかしい。
 すると、
『シールドを解除しろ』
 ラングレヌスが言った。そして続けて
『遅すぎる。翼を破壊して自分で海へ行かせる』
 彼も自分と同じく遅いと感じたらしい。
『シュレーター。シールド解除』
 果たしてアルフォンススが一言。一瞬の迷いも感じない。
「了解」
 光圧シールドが弱められる。レールガンからアルミの弾丸が飛び、巡航ミサイル尾部の垂直尾翼に命中、火花を散らしていずこへ飛び去る。
 対し尾翼が変形する。巡航ミサイルの進路が急変し、左方、海へ向かって進み始める。
『行き先予測』
 アルフォンススが指示する。セレネがキーボードを叩き、船のコンピュータに計算を命ずる。
「2分で公海上に達します。制御性喪失のため再度別の陸地へ到達するまで7時間以上」
『よろしい。それまでに燃料切れで落ちる。無力化したと考える。レムリア次だ』
 指示がくる。レムリアはレーダスクリーンを見、確認を求めるべく相原を見た。
 相原は頷いた。次の目標は今度こそ、
「北極海。76N122E」
 レムリアは言った。船はラングレヌスが船内に戻るのを待ち、INSを起動して6千キロを一気に馳せた。
 
(つづく)

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