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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-018-

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 レーダが捕らえる高温のエコー。
 近づくと大気圏外から落ちてくる火の玉。SLBM弾頭部分である。
 位置は直上。つまり、船は地球引力で落下してくる弾頭の真下にいる。
「目標速度マッハ16。なおも1Gで加速中。予想落下位置ウラジオストク市。私たちはその落下軌道の正面に入ります」
 レムリアは言った。
『エンジンで吹き飛ばせ』
 アルフォンススが即応。
『シュレーター、停船して待機、船尾を弾頭軌道に向けろ』
 船は止まり、船首を下に、船尾を天に向け、ほぼ逆立ち状態。
 但し操舵室含め居住エリアは水平を維持する。球体であり、超伝導マグネットで浮遊状態に保持されているからだ。操舵室の扉が強固であるのもこのため。
 船尾カメラが落下してくる弾頭を捉えた。
 急速に近づく。大気との摩擦で赤熱し、てらてらと炎をまとっている、その流線型金属物体の禍々しい眺め。
『合図と共にエンジン点火、徐々に出力を上げて落下を押しとどめ、宇宙に打ち上げよ。加速10G』
「了解」
 シュレーターが加速レバーに手をかける。
 そのまま待機。時速1万6千キロで大破滅(カタストローフ)が降ってくる。
『今だ!』
 絶妙のタイミングで、アルフォンススは指示を出した。
 ドクターが左手加減速レバーを手前に引き、右手加減速レバーを奥に押し倒す。
 これで船には前進と後退が同時に掛かる。すなわちその場に止まったまま、エンジンだけ光子を噴いている状態。
 光子を噴く……若干補足する。この船の主推進機関は反物質機関の一種光子ロケットである。強力な光を噴き出して船を押させる。
 噴き出す光子が、落ちてくる破滅を捉えた。
 光子噴射の出力が上がり、白い光の風と化す。その中に破滅が飲み込まれる。
 破滅の落下が停止、更に逆行。
 
(つづく)

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