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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-019-

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 元来た道を戻り始める。加速され、宇宙へ向かって飛んで行く。それは船から弾頭を再度打ち上げたかのようである。第一宇宙速度を超え、更に第二宇宙速度を超える。弾道ミサイルは弾頭だけでは推進能力を持たない。地球の重力圏を振り切る速度を与えれば永遠に戻ってこない。
 但し、その永遠に近しい時間、宇宙を彷徨わせることになる。
『次の目標を設定せよ。座標確認』
 アルフォンススの声に、レムリアは次なる目標地点を探した。相原の頷きを得て報告する。
「ベーリング海。巡航ミサイル。座標入力しました」
『了解』
 そうしている間に弾頭が地球の重力圏を離脱したようだ。
 セレネの報告。
「軌道計算。地球には戻ってきません」
『完了だ。そのまま次へ行け』
 ドクターが左手レバーを中央に戻す。
 船が発進する。ほぼ瞬時にベーリング海。アラスカとロシアの間。
「巡航ミサイル接近します」
 レムリアは言った。ベーリング海を島伝いに飛ぶ巡航ミサイルが画面に映る。まだ国境を越えていないためか、ジャミングは作動していない。
『近づけ。マニュアルだ』
 アルフォンススが指示し、船は海上30メートルまで高度を下げる。ところが、そこでレムリアが待ったをかけた。
「海上に多数の船舶を確認。民間の漁船と思われます。ミサイルを落下させるのは危険です」
 船は巡航ミサイルと併走する。
「目標の右側に並びました。距離百メートル」
 続けてレムリアは報告する。アルフォンススは考えている。海に叩き込むのもダメだが、船のエンジンで宇宙へ、という方法も使えない。
 なぜなら高度が低すぎるからである。船が奴の下に入り込んで逆立ちできるほどの高度がない。
『下に入れ』
 その言葉に相原が「え?」と言い、シュレーターと互いに顔を見あわせた。
 しかし。
『光圧シールドを切れ、甲板上に乗せろ』
 
(つづく)

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