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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-020-

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 アルフォンススは全然違うことを言った。すなわち、船体でミサイルをすくい上げるということ。
 甲板に何か載せて運んだことは過去にある。あるにはある、が。
「りょ、了解」
 ドクターが答えて船を操る。巡航ミサイルの下方に回り、海面すれすれから徐々に高度を上げて近づく。
 中央マストカメラを巡航ミサイルに向ける。
「光圧シールドオフと同時にプラズマ発砲、死にかけをすくい上げろ」
 カウントダウン3から。ゼロと共に画面外よりプラズマが放射。
 巡航ミサイルのエンジンが溶かされる。
 そして、甲板上に落下。
 がしゃん、音が聞こえればそうなろう。曲がって煤けた焼けぼっくいは文字通り“ポンコツ”。
 しかし薄汚くても核爆弾。否、この世で最も汚いかも知れぬ。
 甲板に核爆弾。
 奇蹟の人命救助船が甲板上に搭載したのは核爆弾。
『よし次だ。そのまま次の目標に向かいつつ加速上昇し、途中で宇宙空間へ放出せよ。レムリア座標を』
 要するに寄り道がてら捨てて行く。
「了解」
「判りました」
 ドクターとレムリアは相次いで答え、レムリアは座標をセット。
 次の目標はメキシコ湾。自ら共産主義革命を起こし、そのまま統治者であり続ける白髭の老体がいる国。
 ソ連崩壊以降、共産主義の劣勢著しく、体制間の諍いは既に不要に思える。しかし、少なくともこれまで見たミサイルの目標は東西冷戦当時そのままだ。これは、“敵”を決める理由が、それら表面的な社会構造のみではないことを意味しよう。
「バハマ諸島。座標入力しました」
『よし行け』
 アルフォンススが指示する。船は南南東に進路を取り、緩やかに加速しつつ、徐々に高度を上げて行く。東に向かうに従い夜が深まり、スクリーンには何も映らなくなる。
 飛行距離およそ1000キロ。高度は150キロを越す。大気と宇宙の境が見えた。
 
(つづく)

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