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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-031-

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『アリス!』
 アルフォンススが叫び、同時に船外カメラ映像を無数のレーザ光が横切った。
 数本がミサイルのエンジンに穴をうがった。
 エンジンが爆発して黒煙を噴く。
 レムリアの見ている画面に赤文字で警告。
「本船がロックオンされました。複数の航空機に赤外線で追尾されています」
 報告し、同時に周辺の航空機を画面に表示する。各機の軌跡が糸絡むように画面を走る。
「飛行編隊の標的は本船です。彼らは本船が攻撃中枢で、他のミサイルを攪乱の虚像と思っているようです」
『小さいのにでかいのが寄り添って飛べばそう思うだろう。無視する。次だ』
 アルフォンススは言った。その言に対しレムリアは少し引っ掛かった。この船の能力をして、飛行編隊程度どうにでもなるのは確かだろうが、それは理解出来るが、完全無視は適切か。
 すると相原が耳打ち。「それはそれで見ておいて」
 画面警告に変化あり。
「発砲します」
『構うな』
「撃ちました。赤外線追尾、速力マッハ6」
 言ってる間に船は次のミサイルの背後につけた。
『効率悪いなあ。こんな調子で間に合うのか?殆どは北極海近辺だろうけどよ……』
 ラングレヌスがぼそっと言った。
 相原がコンソール上に手指を載せ、くすぐるように動かす(そろばんの暗算の指使いであるがレムリアには判らぬ)。
「掛かり過ぎなのは確かだぜ」
 腕時計に目をやり一言。
 レムリアの画面は警告だらけ。
「編隊航空機が各機前後して保有ミサイル全弾を発射。ミサイル数合計30。空対空ミサイル……これは、シャハーブ2002」
 読み上げる。敵味方識別装置が寄越したサンプル画像を見ると、躯体にはアラビア文字。製造したのは反合衆国の急先鋒に立つ中東産油国。
「こいつもカーン・ネットワークの産物だい。船長。まだるっこしいからシャハーブ借りませんか」
 
(つづく)

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