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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-034-

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 その画面に反応が目一杯。
「機関停止要請!」
 即座にレムリアは声を出し、シュレーターが加速レバー中立。
「機関停止。惰力航行。地球とニュートン均衡。対地速度420」
 その状態は人工衛星と同じ。地球周回軌道でバランス。
 そこへ大男達が戻って来た。
「どうした」
 アルフォンススが声を出し、レムリアの傍らへ。
「衛星とデブリ(ロケットの燃えかすや寿命の尽きた衛星などの「宇宙ゴミ」)があります。機関出力により衛星軌道の変化、デブリの加速による他衛星への影響が懸念されます」
 レムリアは報告した。シュレーターが頷きで補遺。
「了解。太陽風で航行する。セイル展帆(てんぱん)」
「了解!セイル展帆」
 アルフォンススが即断し、ドクターがスイッチを操作する。
 アルフォンススが室内を移動し、船長席に収まった。
「総員。船体を回転する。地球が上に来る。空間識失調(くうかんしき しっちょう)に注意せよ。INS作動、船内1G適応化制御」
「了解1G適応化制御、船体180度回転」
 アルフォンススの指示にドクターが喚呼して操作する。
 2つのことが同時に起こる。まず、船が地球に向かってマストを立てた形、すなわち乗員に取っては頭の上に地球が来る形になる。足もとにあるべき大地が上になる。このため、上下感覚の混乱……空間識失調……を起こす可能性があり注意喚起。最も、操舵室にいる限り、室内床面で重力1Gを保つように制御されるため、地球を大地ではなく天体と認識できれば問題にはならない。
 そして、マストの白い帆がキラキラと輝きながら開く。四角形の帆が折り紙を広げるようにパタパタと展開し、それが終わると魔法か手品でも見ているように、薄く伸びながら周囲に広がってゆく。変な表現だが小麦粉がピザ生地になるべく引き延ばされるかのようである。
 
(つづく)

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