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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-037-

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 今度も船が追尾する形である。ドクターが舵を操作し、航行軌道を下げて標的を追う。すなわち、視界で地球が大きく広がる。
 セイルの受光量は変わらない。レムリアはふと気付く。光の量が変わらないのにどうやって速度を変える?
 でも、レーダによれば距離は着実に縮んでいる。
 一体どんな。
 どうでもいいのかも知れないが、もやっとする。地球に仲間外れにされているような気がする。
「あのさ」
 レムリアは相原の背中を指先でつんつん突いた。
「なに?」
「追うって加速してないけど?」
 疑問を口にしてみる。追跡するのに加速するのでなく、地球に対し高度を下げただけでいいのか。
「ああ」
 相原は言うと、腕組みして少し考え。
「今、この船は遠心力と地球重力のバランスがとれた状態で地球を周回しているんだ。だからヘタに加速すると遠心力の方が強くなって軌道から飛び出してしまう」
「なるほど」
 レムリアは答えた。相原は続けて。
「一方、軌道を低くとるとどうなるか。思い出してほしいのはフィギュアスケート。回転中に広げた腕を縮めると選手はどうなる?」
「早く回る……ああ、なるほど!」
「そういうこと。回転中に回転速度を上げるには、アクセルを踏むのではなく、回転速度を上げる。そのためには回転半径を縮める。すなわち、地球に向かって高度を下げる」
 相原は言った。そして、だからと言って高度を落とし過ぎると、地球重力に捕まって落下する、とも。
 レーダが反応。標的に近づいた。
「レムリア周囲状況」
「影響を与える衛星などはありません」
「よし行け」
 エンジンが光を噴く。炎のように広がらない。どこまでも真っ直ぐな太い光の帯だ。
 弾頭に接触する。だが、今度は少し位置がずれてしまった。
 
(つづく)

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