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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-045-

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 冬近い、シベリアの青い空の遥か高みに、それらは火の玉状態で次々と姿を現した。
「さあどうする。案はないか」
 アルフォンススは問うたが空白。
 その希望を感じない声。
 比して黙り込むのはまずい。レムリアは咄嗟にそう思った。
「弾頭は東西100キロ超に広がって分布。次第に相互の距離を広げつつあります。最東端の弾頭は推定目標ウラジオストク。弾頭の大きさは長さ5メートル径2メートル」
 以上端的な事実。何も提案できない自分が悔しい。
「1発ずつは悠長すぎるな」
 ラングレヌスが言った。それは恐らく、誰もが判っていて、誰もが口にしたくなかったこと。
 レムリアは歯を食いしばった。だからって悲観したところで、何も事態は進まない。
「手持ちの道具を整理しよう」
 アルフォンススが言った。レムリアは装備の稼働状態を表示する。まず銃器共、燃料電池水素チャージ中。船のエンジン、問題無く稼働中。光圧シールド、動作万全。ソーラセイル、先ほどの作動で特段変化や劣化なし。
「一気に片付けなくちゃいけないんだよね。一網打尽、だっけ」
 レムリアは言った。日本語で確かそう表現。
 そして、
「帆が網だったら、か……」
 呟きながら、ポインタ矢印で画像のセイルをぐりぐりやったその時、相原の意識を天啓が貫いたとレムリアは察知した。
「レムリアそれだ!帆だ。あれを網代わりにしてミサイル引っかける!」
 相原は立ち上がり、興奮した表情でレムリアを見、目を丸くした彼女の両肩を掴んで揺さぶり、次いで振り返ってアルフォンススを見た。
「川の中で魚取りの網を振り回すのと同じだ。一網打尽にできる」
「なるほど判った」
 アルフォンススが頷いた。但し口調は相原とは対極に至極冷静だ。
 慎重という方が的確か。
 
(つづく)

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