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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-052-

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 だが、声を掛ける前に船長アルフォンススは目を開けた。
「状況は」
 第一声。しかめた顔が辛そうだ。
「現在バイカル湖上。バイカリスク沖真方位22度距離28キロ程度。機関緊急停止状態で再起動要求待ち。主機関正常、GMサイクル正常、電源正常。ソーラセイル第1・第2喪失。船の躯体(くたい)損傷無し。防御・ステルス問題なし。銃器類は状況確認できず」
 相原が船の現状について画面表示を読み上げた。
「核は……レムリアありがとう。副長を起こしてやってくれ」
「はい」
 レムリアがひな壇を降りる間に相原が画面を操作。セレネは物憂げに身を起こす。
「当船検出機構ではアルファ、ベータ、ガンマ各線、硬・軟両エックス線、中性子線確認されず。探知範囲拡大中。宇宙軌道上の各衛星と交信中。キセノン、ガンマ線検出実測無し」
 相原が言った。正面スクリーンを文字列が下から上へスクロールし、衛星の観測データと思しき数値が流れる。
「全地球規模確認。放射線数値の異常は確認されません。核種同定作業不能。核爆発は防げたものと判断します」
 相原は椅子を回して振り返り、言った。
「ホント?」
 レムリアは双子の巨漢を起こす作業を中断して尋ねた。
「ホント」
 相原は答える。レムリアは笑みを浮かべる。
「ホントのホントに?」
「ホントのホントに」
「良かった」
 レムリアは言い、両の手を叩いてパチンと言わせた。これは、彼女が本当に嬉しい時に見せる仕草。
 そして、その音に双子の巨漢が揃って目を醒ます。
「あ、アリス、ラング……」
「説明なら要らねーよ。失敗したらそんな顔してねーだろ。ここはどこだ」
「バイカル湖にプカプカ浮いてる」
 相原が船首カメラ画像を正面スクリーンに映して見せる。失われた第2マストの画像は真っ黒。
 
(つづく)

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