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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-053-

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 レムリアはその間にシュレーターを揺すって起こす。
「ミッション・コンプリート、です」
 博士のシワが心持ち温和になる。
「そうか。帰るかい船長。アリス、燃料残は」
 シュレーターは訊いた。
「コンマ15(千分の15)」
 アリスタルコス。
「ならコルキスまでは充分持つな」
「待って下さい相原さんを東京へ」
 レムリアは割って入った。
「ああそうだな。総員、主機関再起動する」
 シュレーターがコンソールのボタンに手をする。
「了解」
 クルーが各々応じた、その時。
 各自のイヤホンがピピッと緊急の連打音。そして。
『ロックオン検出』
 正面スクリーンに赤文字が走り、コンピュータが合成音声でそう告げた。
 CG表示の画像に曰く、上空にヘリコプターがあり、レーダでスキャンしており、船にターゲットを合わせた上で湖岸と何やら通信している。
「露軍か」
 アルフォンススの言葉を聞き、大男二名がすわ、とばかり腰を浮かせる。対し、「待って下さい」とセレネが制した。
「露軍より入電。モールスです。国籍を問い警告を発しています。解読を読み上げます。不審船に警告する。貴殿は今般核戦争惹起の疑義により多国籍軍による破壊命令が出ている。1分以内に我が軍に投降の意志を示さない場合、M・T・Lにより破壊する。……船長、MTLとは」
 セレネは背後船長に顔を向けて訊いた。
「ミラー・トラッキング・レーザだ。定めた標的めがけて宇宙からレーザ光線が降ってくる。シュレーター。操舵権を寄越せ」
「アイ」(アイアイサーの略)
 シュレーターは舵から手を放した。
 対しアルフォンススが自らのコンソールに手をした。そこにも舵があって操船できる。
 彼らの会話をレムリアは目で追うようにして聞いていた。
 
(つづく)

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