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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-055-

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 対抗すれば攻撃してこよう。しかし幾ら超高速アルゴ号とはいえ、多国籍軍相手に立ち回れるものだろうか。千だの万だの秒単位で降ってくる銃砲弾全て回避できるのか。
「オレの頭はココムのままで止まっててな」
 アルフォンススは言った。
 応じてニヤッと笑ったのが相原。
「同意。どこまで本当でどこまでダマシか。虜囚になっても素直に返してもらえる保障はねぇ。温暖化しててもシベリアに抑留はゴメンだぜ。北方領土って知ってるか?返せと言ったら20分で日本をキノコ雲だらけにしてやるって国だぜ。それに……」
 それに、旧体制からのつながりで、紅の共産帝国と友好関係。
 彼は八重歯をキバのように見せて言うと、説明を意志で飛ばして寄越した。要するにテレパシーで読み取れ。
 曰く、アルゴが空飛ぶ船であり、核対戦能力を有していると恐らく露見しており、囚われになるにせよ殺されるにせよ、船体は奪われて軍事転用されるに違いない。ちなみにココム(COCOM)とは、対共産圏輸出統制委員会の英文略称。これは冷戦時代、自由主義諸国が共産主義諸国への技術流出を阻止するため行っていた輸出管理の仕組みである。ソビエト崩壊で有名無実となり廃止されたが、アルフォンススの物言い……ココムのまま……は、すなわち露国は当時と変わらず信用しないと解釈できる。
 そして相原も同意、と。先ほど宇宙でレーザに撃たれたが、それが予想通り紅の共産帝国なら、この投降誘導の目的は、まず間違いなく船の簒奪。
 従って、投降などしない。レムリアがそう理解した時、敵味方識別装置が反応した。
 スクリーンに警告文字が現れ、画面が勝手に切り替わり、ズームアップがかかる。
 衛星写真であり、自船と思しき湖上の船影と、沿岸に居並ぶ特殊車両。
 その形状。
 
(つづく)

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