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アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-057-

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 ただし、速度出し続ければ燃料は急減。実際残量警告表示が既に点滅している。飛行可能時間カウントは3桁の秒数だ。
 だから大げさに飛ばずに瞬間的な変化だけで逃げ続けているのだ。レムリアは知った。
 識別装置警報。
「戦車隊発砲します。多方面よりミグ戦闘機編隊。索敵レーダ波多数検知」
 つまり囲まれた。
「バイカルに閉じ込められるぞ」
「出ろ」
「だめ!」
 レムリアは慄然として叫んだ。そんな高熱の光線、湖水なら水の蒸発で事は済むが、陸域に上がれば周囲が巻き添えになる。確かに多く原野であり無人境ではある。が、それならいいという問題では無い。山火事になるだろうし……原野の下に無尽蔵と言われる天然ガスに何かあったら。
 船が逃げると地球がメチャクチャになってしまう。
 地球は、人質。
 レムリアはアルフォンススを見た。
「シュレーター任せて良いか」
 アルフォンススはレムリアに小さく頷いて見せ、シュレーターに問うた。操舵権のことだと判った。
「おうよ」
 自分ならどうするだろう。バイカルに潜るか。
「委譲」
「授権」
 果たして。
「宇宙へ。光条軌跡逆探知せよ。これだけ撃たれりゃサンプル充分だろう。衛星を落とす。レムリア」
「はい」
 攻撃対処、反撃、被攻撃手段選択、指向性エネルギ兵器、種類レーザ光……タッチすると、船のカメラが捕らえた光条の動画から入射角を割り出し、レーザの特性と地球の自転速度に基づいて鏡衛星の位置を逆算。
 更にその時刻その位置にいる衛星をデータベースに照会。
「燃料残は大気内制限全速で2分」
 アリスタルコス。大気内全速とは秒速3000キロ。それで今ギリギリ命中を逃れている。
 そして、一瞬で宇宙空間。
「地球とニュートン均衡」
 レムリアは出てきた文字を読んだ。情報を多く提供する。今の自分にはそれしか出来ない。
 
(つづく)

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