アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-063-
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「米軍、自衛隊とも全弾撃ち尽くしました」
「燃料15秒」
その時。
「J-ALERT(じぇいあらーと)作動!」
レムリアは出てきた赤文字を読み、何?と相原に目で訊いた。イージスが艦載防空、パトリオットが対ミサイル迎撃システム、両システムが連携しており、PAC3はパトリオットの進化形である、旨はこの連中と付き合ってきて知っている。
J某は初見。
「日本にミサイルが撃ち込まれるってこった。どこだ」
相原の声は怖い位に落ち着いていた。
「先軍主義国家より発射を確認、初期軌道より東京……です30秒」
「米軍、自衛隊がパニックになっています。本船に撃ち尽くし迎撃できません」
「それを待ってたんだろ。ミサイルに突っ込め」
アルフォンススの指示。しかし。
「レーダに反応しません。赤外線検出せず。ミサイルを探知できません」
自分の発言に船内の男達が一斉に自分を見たと判る。
「ステルスかよ」
相原。
「本当か。あの国の技術力でステルスミサイル持てるわけが……」
アルフォンススが唇を噛む。
「燃料無くなります!」
「衛星照準秋葉原駅に合焦まで10秒……」
レムリアは気付いた。
「衛星照準に合わせて高温域が移動中」
「テレパス!」
アルフォンススのその言葉。テレパシーで何か判ることは無いか。
一度に起きた複数事態に対しての彼なりの冷静な判断か、苦肉の策か、それは判らぬ。
ただ、さび付いていたネジが回るような感覚と共に、超常の能力は働いた。
殺気に対するテレパシー。
それは、この船と言わず、自分が背負った能力ゆえの人生原点。
ここで使わずいつ使う。
まず状況を整理する。ミサイルが東京を狙い、そのミサイルの位置が判らず、共産帝国の衛星も東京を狙っている。
「太陽だ……衛星の狙いは鏡の反射を集めて高温地獄だ」
相原が言った。
(つづく)
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