アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第3部-069-
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その当人達による証言。痛々しい手足や頭部の傷。
「(捏造だ!ジャップはすぐに捏造しやがる。レイプオブナンキン知ってるぞ!)」
指揮官は怒鳴り、とんでもない獲物を構えた。
マイクロバルカン。そもそも艦船搭載の高速機関砲であるバルカン砲を歩兵が手持ちで扱えるようにした物。銃身6本を束ねた形で、回転しながら次々発射する。車載タイプをミニガンというが、更に小さいのでマイクロバルカンである。1分に1200発。主たる用途はミサイルや爆弾に対し弾幕で対抗。すなわち、下手な鉄砲……を地で行く。ちなみに、その昔アクション映画のマッチョ兵士がミニガンを持って歩くというシーンがあり、基づいて実用に動き出したという背景がある。
「(じゃぁ天安門はなかったという中共の妄言も信じろや選ばれし民族さんよ。南京はあったが天安門は無かった。都合のいいこと抜かすな白豚)」
「(黙れジャップ!)」
相原の扇動に逆上し、指揮官は引き金を引いた。
「(お前らが惹起した核危機を未然に防いだのは我々のMTLシステムだ!)」
何事か叫び声を上げながら暴力装置を操る行為をウォー・クライ(war cry)という。
発砲に伴う轟音が耳を圧し、凄絶な弾幕が形成され、人体など煙と化す……
能力を有するはずであるが、横たわる少女、銃と言うより大剣風の外観を備える超銃を手にしたヴェールの女、キモノのジャップ、自衛官及び衛生担当官、いずれにも命中した痕跡は無い。まるでガラス越しの乱射見物。
撃ち尽くし、電気モータで銃身が空回りするだけになってもなお、将官はファイア・スイッチから手が離せなかった。
バッテリ・ボックスを背負った傍らの兵士に揺すられてようやく手を離す。
(つづく)
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