「3人揃った」意味~犬神の郷のあとがき~
以前ちょろっと書いた気がするが、黒野理絵子も本橋美砂も高校の文化祭で書いた劇の脚本に登場する娘である(1985および1987年)。その時の主役は高校生である美砂の方だったがまぁ今更どうでもよろしい。
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思うに、超常の力を持つというのは、裏返せばそれを要とする使命と一体であって、しからば、それを行使されたら困るサイドから阻止の動きが出てくるのもこれまた必定である。結果、対決の構図が出来上がって物語の根幹を成すのであるが、理絵子の場合敵方をも包含して友達にしてしまい、その辺ウヤムヤにしてしまうので、そろそろ「次の手」が送り出されてくるのでは?と作者としては考えている。ナニ?自分で書いてるくせに他人事みたいだ?これまた以前ちょろっと書いた気がするが、こと彼女の話に関する限り、作者に裁量権も決定権もないのである。提示されるままを文章に起こすことしか許されていない。
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それはさておき。
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このシリーズで一つ全体を通して登場するのは、今作でも彼女が触れている(ようやく気付いた?)が、「剣」あるいは「杖」等の霊的な指揮棒であり、死神という存在である。今作で死神は登場しなかったものの「死が必定だった」というアンチテーゼの提示がされた。最も、鬼族は人を食う=死をもたらす存在であるから、死の総本家はお呼びでなかっただけかも知れぬ。従い、レギュラー(?)をクビにされたわけでは決してない。むしろ、霊能娘が3人揃ったことの方が恐らく意味合いは大きい。超感覚に長じた娘と、浮遊能力すら持つ念動使いと、パイロキネシスを備えた巫女属性と。
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フルセット揃ったということは、フルセット必要な相手に備えるということであろう。
何か言ってましたね、霊の存在を知ることは肉体の奇蹟性に気付くことで、肉体を業苦として否定することを意味しないとか。
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それが彼女達の認識なら、相手方は逆、であろう。すなわち、人が生物として今を生きていることを貶めている者どもは、何?誰?
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