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真っ赤な電車の秘密の仕事-6-

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「そう。これをね、女の子ワールドと男の子ワールドの間に敷いて乗ってもらおうと」
「え、でもこれも線路集電ですよね。危なくないですか?」
 ユースケは言った。車輛に乗せたモータで走る。モータの電気は線路から取る。線路がそれぞれプラスとマイナス。だから例えば、何か金属のおもちゃを持ったまま線路の上で転べば感電する危険がある。
 なので多く、そうした屋上電車は柵で囲って入れないようにしている。最も、仮にそうやって感電してもケガする電圧では無いだろうが。
「ちゃんと考えてあるよ。非接触集電で蓄電する。しかも何と当社初のVVVFと来た」
「うっそまじっすか?でもVVVFってデカいんじゃ」
 ユースケは両手を広げた。少し説明がいるだろう。VVVFとは可変電圧・可変周波数を意味する英語の頭文字を集めた略称で、そのままぶいぶいぶいえふと読む。電力変換回路である“インバータ”の一形態である。モータの駆動に用いられ、1990年代後半から急速に普及している他、エアコンの室外機など、同様にモータを駆動する家電品にも用いられている。ちなみに、加速、減速時にメロディ奏でるような独特の音を出す電車はこのVVVF駆動車と思って間違いない。
「電車以外でもVVVFはあるんだよ。エアコンでもインバータエアコンって聞くだろ?他にも工場のベルトコンベアや換気ファンなんかにも使う。だから、VVVFだけ“汎用インバータ”って名前で店で売ってる。こいつも秋葉原の通販で取り寄せたものさ」
Inverter
 以下、電気的説明。非接触集電とは、例えば本物は架線からパンタグラフで、模型では線路からモータを電気をとるが、こいつは感電防止の観点から、
「座席の下全部コンデンサ」
.
(つづく)

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