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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-006-

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「改めていらっしゃいませ」
 船が消えるのを見届けて、相原は言った。
「いいえこちらこそ、夜分にお邪魔してすいません」
 黒髪の少女はぺこっとばかり頭を下げた。こうした立ち居振る舞いは、ひょっとすると、その辺の町中で見かける女の子より“日本人”らしいかも知れぬ。
「では我が家へどーぞ」
「はい」
 相原がボストンバッグをかつぎ、草むらを歩いて斜面を下りる。
 そこは住宅街の裏の丘である。相原宅より坂道を上って徒歩5分。
「ごめんね唐突に」
 相原は言った。
「いいよ。それで少しでも、なら本望」
「正直、だからって呼んでいいものかどうかとも思ったんだけどね。君を私物化するようなもんだろ?」
「その瞬間に私と喋ってた時点で、なるべくしてなった、ということだと思うよ。それに、そうだと知ってそのままだったら、後々ずっと引きずるよ。私はもちろん、あなたもさ。だから、いいよ」
 少女は心配するなとばかりにニコッと笑った。
 さてここで作者としては、なぜこの二人がこのように親しいのか、彼女の乗ってきた空飛ぶ船が何物か、など、説明責任が生じていることを認識している。
 端的に言えば、相原は過去に一度、空飛ぶ船に乗り組んだことがある。二人のつきあいはそこが端緒である。船には超常の能力を有する者たちが乗り組み、ピンチにある人を救うべく、世界を馳せ、“奇跡”を起こす。但し、彼女が加わっている医療ボランティアとは別の活動である。
 ただ、それ以上のことは、本筋とは全く関係がないので、省略する。経過によって書く必要があれば、その際に追記する。
 閑話休題。2人は相原宅に到着した。
「ただいま」
 相原がドアを開けると、歯ブラシくわえたパジャマの母親。足元に三毛ネコ。
「あらおはぇ……」
 母親は言いかけ、息子の背後の少女に気付き、そのままビデオの静止画のように固まった。
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(つづく)

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