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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-007-

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「客」
 相原は背後の少女を指さして言った。
「あの、初めまして。メディア・ボレアリス・アルフェラッツです」
 少女は本名を名乗り、頭を下げた。純日本式初対面の物腰。
「……!」
 母親の歯ブラシの口から、驚愕した化石人類のような吠え声。「うそぉ!」と言っているようである。
「姫」
 相原は極めて手短に少女を紹介した。
 母親の開いた口から歯ブラシが落ち、慌ててそれを拾う。
「……って、あの雑誌の?」
「そう、本人」
「あのお姫様で看護師で医療ボランティアに加わって世界中を飛び回るあのすごいお姫様?」
「そう、お姫様で看護師で医療ボランティアに加わって世界中を飛び回るあのすごいお姫様本人」
 相原は母親のセリフを、『お姫様』を2回言ったことまで含めて、そっくりなぞって言った。
「でも普段はオランダで一人暮らしって……ああ、今日は日本へ?でも日本にそんな難民や戦場は……大体なんで学と?」
 まばたきを忘れたまま母親が問う。
「いっぺんに訊いてどうする」
 相原が言う。しかし母親としては訊きたいことは多いだろう。雑誌の中のお姫様、遠い世界の存在が、唐突に息子に伴われて自宅にいるのだ。
「いいからそこどいてくれないと入れん」
「あ、はい、そうね、ちょっと待って」
 息子にせっつかれ、母親は今更思い出したようにバタバタと身繕いをし、パジャマのまま玄関マットに正座。
「どうも初めましてようこそ学の母親ですこちらはネコタレ狭くて汚くてもうどうしようもないところですがお上がり下さいませ」
 作り笑い。
「あ、その、こちらこそどうもすいませんこんな時間に。ネコタレ君初めまして」
 少女レムリアは申し訳なさそうな口調で言った。
 ネコの鼻先に指を出す。すると、その指をネコがクンクン匂い、耳の後ろの部分をレムリアの手にスリスリ。匂い付け。
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(つづく)

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