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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-017-

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 そこは狭い通路の両側に間口一間の店が並んでいる。扱っているのは携帯電話、ポータブルオーディオ、電池やケーブル、専門的な測定機器。送信機受信機の類。照明器具、工具、電子回路部品、放送局関連機器。中には盗聴器や暗視カメラなどというものまである。
 相原はそのうちの一軒、通信機器の店に立ち寄った。
 タバコ臭い店であり、老年の店主は狭い空間に身を畳むように座り込み、煤けたラジオから浪曲を流しながら、スポーツ紙を見ている。店頭には良く見る携帯電話の他、無線通信、それ用の部品と思しき品々。
「すいませんGSM4709-1142の変換アダプターを注文した者ですが」
 相原はいきなり言った。
「あ?ああ」
 主人は、必要最小限の応答を寄越すと、足下をごそごそして茶色い紙袋を取り出した。
「相原……さん?」
「そうです。試してみても構いません?」
「ああ」
 主人が答え、紙袋をごそごそ開く。
「携帯出して」
 主人の作業の間に、相原はレムリアに言った。
「は?あ、はいはい」
 レムリアはウェストポーチを開き、彼女の“携帯電話”を取り出す。
 それは軽く薄くて可愛らしい……CMでなじみの携帯電話しか知らない者には、軍用無線機のように見えるであろう。
 衛星携帯電話。世界中を飛び回る彼女の電話は、これでないと用をなさない。
「ほぉ」
 主人が彼女の機械を覗き込む。
「あんちゃんじゃなくて嬢ちゃんの方かい。現物は初めてだよ。嬢ちゃん軍人って事はないよな」
「え?ええ……」
 レムリアが戸惑いの表情で相原に目で尋ねる。曰く“どういう意味?”。
 ……この辺り別にテレパシーというわけではない。レムリアは表情豊かな娘であるから、そのくらいの意思表示を読み取るのはたやすい。
「これで医療ボランティアとして世界中行きますからね。暑い寒い、土砂降りのスコール、砂漠に高山……タフでないとやってられんでしょう」
 相原は主人への説明がてら、言った。要するにレムリアの持つモデルはタフな仕様であり、ゆえに軍関係者がよく持っているのだ。
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(つづく)

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