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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-018-

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 レムリアは複雑な表情である。生死全く相反する目的の“職”にある者が、同じ機械を使用している。さもありなん。
「その歳で医療ボランティア……」
 レムリアは主人に目を戻した。
「ええ。いたたまれませんで、看護師の資格を取って時折出かけています」
「そうかえ。そらすげぇなぁ」
 主人は歯の少なくなった口を開き、オーバーなほど驚いて言った。別にのべつ仏頂面というわけでもないようだ。
 2人が会話している間に、相原は携帯電話の底の部分にあるゴム製の蓋を開け、取り寄せたアダプターをセットした。
 きちんと入った。次いで抜いてみる。
「OKですね」
「あいよ。他にはあるかい?」
「ACアダプター何でもいいので余ってませんか?5ボルト出せる奴で」
 それはコンセントから電話に電力を供給し、内蔵電池に充電するもの。
「ああ、あるよ」
「え?別に壊れてないけど?」
 怪訝なレムリアに相原は電話を戻した。
「もしAC側の壊れ品があれば逆に歓迎。出力側のヒモだけ欲しい」
「なんか改造かい?」
「ええまぁ」
「じゃぁこれ持って行くか。プラグ曲がってんだ。300円でいいや」
 主人はコンセントへの差し込みプラグがぐんにゃり曲がった不良品を示した。
 相原は購入に及んだ。
「あの……」
 申し訳なさそうに相原の袖を引っ張りながら、レムリアは首をかしげた。
 色々買ってくれるのはありがたいけどその意図は?
「こっちはぶった切って太陽電池に繋ぐ。出先で充電できんべ」
レムリアは目を丸くした。
「そんなこと……」
「できるよ。わけない。はい、次行きましょう。じゃぁどうも」
 相原は一礼し、店を辞した。
 狭い通路を進んで行く。すれ違うのもやっとの狭さである。メモ片手に部品選びの学生や、スーツ姿の背後をカニ這いで通過すると、防犯カメラ画像の自分自身とニラメッコ。並べられたモニタ群ズラリ映った自分の前を過ぎると、今度はたわわに下がった電気ケーブルがちょっと邪魔。それは商品と言うより、天日干ししている染め糸の束だ。相原が暖簾よろしくかき分け、レムリアはそこをくぐる。
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(つづく)

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