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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-020-

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 レムリアは首を左右に振った。金額は優に万を超える。さすがに頂戴するには高価すぎる。
 相原は構わず勘定を頼む。
「命は値段じゃないと思うが。気を引くためのプレゼントならこんな実用的な物は用意しない。銀座に行ってブランド物のカバンでも買うだろよ。でも君はそういう女じゃないだろ?。背負った物はあまりにも大きい。対してこの街には、この街だからこそ、その背負った使命を少しでも軽くできるガジェットがある、だから連れてきたんだ。
 エレクトロニクスは不可能を少なからず可能にするとオレは信じる。それで救える命が一つでも増えるなら上等じゃん。困ったらいつでもここにいらっしゃい。何かあるから。そんだけさ」
 相原のセリフにレムリアは目線を外し、少しうつむき、駅前とは少し違う力の入れ方で、相原の腕に腕を絡めた。
 レムリアは自分の目から何かがこぼれて流れ、相原の腕を伝うのに気付いたが、対して相原は気付いたか気付かぬ素振りか。
 店を出る。レムリアはうつむいたまま、デジカメとアダプターをウェストポーチに収めた。
「じゃぁ、使わせていただきます」
「存分に。さてこれで買い物は終わりです。どこかブラブラしますか?」
 相原が尋ね、レムリアは一回後ろを向いてハンカチを扱ってから、相原に目を戻した。
「じゃぁ、CDショップへ」
 明るく一言。赤い目で。
「ジャンルは?」
「トルコ音楽」
 レムリアは言った。欧亜の接点トルコの曲調は、パワフルで哀愁を帯びた物が多く、日本においてもファンが多い。
「ほう。相変わらず聞いてるんだ」
「うん」
「じゃぁこっちだ」
 相原が向かったのは、複数の店舗ビルで構成される量販店の“音楽館”。5階建ての建て屋でCDだけを扱っている。逆に言うと5階建てのビルが全てCDショップ。
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(つづく)

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