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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-030-

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 程なく背後の止まった電車、すなわち新宿方面行きの運転士が確認に訪れ、少し遅れて担架を持った駅員が到着。
 脚立の半分を思わせる非常階段が線路とホームの間にセットされる。映画なら格好良く抱き上げて、となろうが、線路面とホームの間はレムリアの首ほどもあり、一般的ではない。
 ブザーが解除されて鳴り止み、相原と駅員が担架を持つ。別の駅員にリュックの男の子が事態を説明している。
「酔っ払いのおじさんが目の不自由な女の子を邪魔だと突き飛ばした」
 その酔っ払いはというと、ゴミ箱の脇で手が後ろに回っている。乗降客の多い駅には(自殺防止の観点で)鉄道警察官の巡回があるが、首都圏は土地柄その殆どが対象駅。
 これで、目下注意を向けるべきは、由利香ちゃんの怪我の状態。
 駅事務室へ移動し、救護用ベッドへ座らせる。
「怖かったでしょう怖かったよね。でももう大丈夫、犯人捕まったし私たちはあなたのそばを離れない」
 レムリアは言うと、自分のウェストポーチの中身と、駅の救急箱を使って応急処置をした。額は消毒して絆創膏。手首は消炎剤を塗って包帯でぐるぐる巻き。
 由利香ちゃんは恐怖のせいか小刻みに震えながら、鼻をぐすぐす。
 ……ただでさえ線路に落ちるなど怖い経験である。線路上から身を動かせば済む話なのだが、恐怖は時に人をその場から動けなくしてしまう。
 まして彼女は。しかも手が。
 その感じた恐怖は、一体どれほどであっただろうか。
「おでこの傷はたいしたことない。でも手首は病院で診たほうがいい。ほかにぶつけたり、痛い所は?」
 レムリアは由利香ちゃんの手を握ったまま放さない。
 由利香ちゃんは、問いの答えには首を横に振った。
 と、駅員がドア(開けっ放しではあるが)をノックし、ペットボトルのジュースを持って入ってきた。
「飲みますか?」
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(つづく)

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