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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-034-

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 右の手のひらを開き、左の手指で触って確かめ、口をあんぐり。
 キャンディの包み。
「え……」
「このお姉ちゃんがみんなに、って。手のひら握って開くとあら不思議」
 まさかという表情で、由利香ちゃんが言われたとおりに手を動かす。
 キャンディ2つ。
「みんなで何人かな?」
「目測25人」
 これは相原。
「じゃぁお姉ちゃん両手を合わせて。開いて」
 山のように。
 由利香ちゃんは唖然。
「な……」
「さぁお姉ちゃん、子供達にお菓子を配ってくださいな」
「う、うん」
「わーいちょうだい!」
「あ、セコい!」
 子供たちに配る。というより子供達の方が勝手に取って行く。その頃には通りがかりの看護師が、微笑ましく即席のショーを見ている。
 一通り行き渡ったところで、また後で、と、ナースステーションへ移動。
「あなたはすごい」
 由利香ちゃんが言った。
「子供たち、みんなあなたの事を大好きなんだね。ものすごく、びんびん伝わってくる」
「助手ってこんな感じ」
 レムリアははぐらかすように由利香ちゃんに言った。
 ナースステーション窓口に来意を告げる。奥の方より、婦長とおぼしき、体格の良いメガネの女性が振り向き、席を立ってやってきた。
「お久しぶりね、お元気ですか?」
 にこやかに一言。
「ええ。すいません突然」
「いいのよ。あなたが来ると子供たちの表情が変わる。食事や薬に対する姿勢まで変わってしまう。退院した後、しばらく泣いていた子もいたくらいよ。まるで魔法……あらそちらは?」
「友人ですが、トラブルで手首を怪我して、近かったのでこちらに……」
「そう。……あらあなたは……そう、それは怖かったでしょうね。でも彼女なら安心していいわ。送って行く途中なのね」
「そうです」
「じゃぁ引き止めちゃ悪いわね」
 相原はそこでチラッと腕時計に目をやった。
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(つづく)

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