« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-036- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-038- »

【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-037-

←前へ次へ→
.
 やられた相原は一瞬眉をぴくりと動かし「おお」と一言。そして、
「由利香ちゃんにやってみ……手先握るだけで十分だよ」
「そう?」
 レムリアは由利香ちゃんの両の手を握った。
 みるみるうちに由利香ちゃんの表情が驚愕に形作られる。
「な、何これ、なにこれ!」
 その声は周囲の乗客たちが驚くほど。
 やがて由利香ちゃんはゆっくりと深呼吸し、
「手がこう……お湯でも流れているようにじわーっと全体が熱くなって行く。それがだんだん痺れるような感じに変わって、とろけるような、ほぐれるような……。温泉で腕だけプカプカ浮かしているような……不思議……心地いい……」
「……なるほど」
 レムリアは、由利香ちゃんの反応に感心したように言った。
 手の配置をいろいろ替えてみる。左手は手首を持ったまま、右手は彼女の頬へ。
 更に軽くかがんでそっと抱きしめる。はぐ。
「あ……」
 由利香ちゃんは言ったきり、黙り込んだ。
 陽だまりの猫の表情。
「こうなると人間ハイパーサーミアだな」
 相原が言った。Hyperthermia:温熱治療装置。細かく言うと、ガン細胞と健全細胞で温度上昇速度が違うのを利用し、ガン細胞だけを選択的に死滅させる、ガン治療法の呼び名である。
 レムリアは相原を見て、
「それ直感的には判りやすいかも知れないけど違うと思う。まず安堵や落ち着きを与えている。次に精神的な不安や苛立ちと身体との相互作用、心身相関現象を断ち切る。結果、身体本来の自然治癒能力を引き出す……ちょっと待って」
 そこでレムリアは気付いたように身体を離すと、由利香ちゃんの怪我した手首を両手で挟み包んだ。
「わぁ……」
 由利香ちゃんがマンガの表現よろしく、小さく“O”の字に口をあけた。
「すごい。そうやってもらうと痛みがスーッと消える。温かくなって、その中に痛みが混じって広がって消えて行く」
 レムリアは数分、そのままの状態を保った。
.
(つづく)

|

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-036- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-038- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-037-:

« 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-036- | トップページ | 【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-038- »