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【魔法少女レムリアシリーズ】ミラクル・プリンセス-038-

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 その間、席が席であるゆえお年寄りの姿もあり、強い興味を持った表情で、レムリアの“治療”を見ている。
 レムリアは手を離した。
 既に剥がれ掛けている湿布を剥がすと、手首患部は汗でびっしょり。
 レムリアはウェストポーチからミニタオルを出して、汗をふき取る。
 するとまるで、その部位だけ、生まれたてのように白い。
「これは……」
「わかりません。見た目はお風呂でふやけた指先と同じように、と言えば判るかな?医学的な説明は困難でしょう。今はいいけど、温度が下がればまた痛みが出てくるとは思う。でも、前ほどじゃない。あなたにとって痛みはストレスだった。痛みは痛みを意識すると周辺の筋肉に力が入って尚痛くなる。私は今、あなたに安心して欲しいと願った。そしてあなたは私を信じてくれた。その結果、ストレスが外れて、痛みが緩んだ」
 それは確信。
「私、代々木行くのやめて、あなたにやってもらおうかな」
 由利香ちゃんは手首をさすりながら言い、汗で接着力を失った湿布を丸めてポケットへ。
「それでいいよ。私と反応が違う時点で効いてるとは思えない。でもなんで気功なんかに?」
「母なりの責任感なんだと思う。私の目は幼い頃の高熱が原因と聞いたの」
 女の子二人の会話を、ゆっくりした女性の声が遮った。
「失礼ですけど、あなた目を?」
 隣席の老婦人。歩行補助用であろう、ステッキを手にしている。
「ええ、はい。全盲です」
「とてもそんな風には見えないわ」
「え……ああ、杖でしたら折れてしまってそれで友達に家まで……」
「ううん、そういう意味じゃないの。生き生きしてるの。光り輝いて見えるわ」
「え……」
 指摘に驚く由利香ちゃんに、隣席の老婦人は、生きる望みが半減していたところだ、と語った。何でも、薬と病院通いを一生続ける慢性病の宣告を受けたのだという。
「自分が世界一不幸に思えたけど、あなたの姿を見たら些細な事に思えてきたわ。そっちのお友達の女の子、あなたにずっと気を送っていたのかもね」
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(つづく)

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